水がつなぐ世界、上流に住む者の責任

水がつなぐ世界、上流に住む者の責任

 
【第2回セカンドカーブ講座】セカンドカーブは上川の森から ゲスト: 北海道上川町町長 西木光英さん ナビゲーター: 上川町ファミリーオートキャンプ村オーナー 立石貴久さん
北海道大雪山の麓、石狩川の源流部に位置する上川町。
今回のゲストは、その場所に幼少期から住み、2024年4月より上川町町長として、活躍されている西木さん。ナビゲートするのは、上川町でオートキャンプ村のオーナーであり、一般社団法人学びと感謝の希望財団の理事でもある立石さん。また、上川町の森の専門家として、業務に従事されている平松さんが登壇された。
どんな地域にもその街独自の歴史がある。
今回のセカンドカーブ講座において、印象的だったこと。 それは、水が人々の生活をつなげているということである。
大雪山系に降った雨が、地中に染み込み、石狩川に流れ込み、下流にある街へと水を運び、そして、海へ。それらの水がまた、雲に変わり、雨となり、大雪山の山へと戻り、循環する。
その源流部に位置する上川町が考えること。それを過去、現在、未来と辿っていた時間。
今回のお話の中で、とても印象的だった2つの言葉がある。それは、
”上流に住む者の責任”
という言葉である。それと、
”現状を維持し続けること”
これらの言葉を聞いたとき、人はどうしても部分最適で考えてしまう。
また、人はどうしても欲が出てしまう。もっと欲しい、もっと欲しいと。自分だけが、自分たちだけよければ良い。そんなことが、日本でも世界でも起こっている。
2000年代初頭に気候変動問題が取り上げられるようになり、一つの国だけでは解決できないからこそ、つながり合い、協力し合いながら、解決していこう。そんな時代がこの20年だったように思う。そして、少しずつ繋がりを感じるようになっていた。
それは、現実に私たち、誰も感じるようになり、モノもスマホのボタンを押せば明日には荷物は届く。世界の端で起こっていた出来事がリアルタイムでスマホで見られる。世界に散らばった情報をかき集め、コンサルタントやエージェントのように提案してくれる世の中に。
そんな世界がつながる世の中になっている事実の中で。
自分たちが住む場所の責任について考えたことがあるだろうか?
他の方はもしかしたらお持ちかもしれない。ただ私は、なかった。また、人口減、高齢化、少子化など様々な課題が顕在化する中で
現状を維持することこそ、挑戦である。
そんなメッセージを受け取った。欲を出すのではなく、現実を的確に捉え、できることをやり、形にし続けること。それが、未来の上川を考える、その答えのような気がした。
その答えには行き着いたのは、幼少期から過ごした上川の自然の中での経験、上川という過去の災害からの復興と、時代の流れとともに街が育ってきた歴史、自然というものを軸に、つながる人々。自然というものが人に教えてくれるもの。
それらを資源として、紐解いてきた中で、行き着いたのだと。3人のお話を聞きながら感じたのである。
日本は資源が乏しいと言われる。
本当にそうなのだろうか?
便利なものが生まれ、仕組みが生まれ、移動するようになり、自分たちの国だけでは賄いきれない資源を使うようになった。
それだけなのではないだろうか。
ただ生きることと 便利に快適に生きることの 定義が変わってきた
自分たちの当たり前が変わってきた
それによって、自分たちの国資源だけでは賄えないようになっているのではないか。
そんな時に何が必要なのか。
それは、欲張らず、謙虚に、働き、暮らし、生きること 世界は、水を通じて、繋がっている。 どこに住んでいても、常に誰かの上流になる。
そして、自分がその土地に住む責任、言葉を変えれば、役割を一人一人が、シンプルに考えていくこと。それが大事なのではないか。
その立ち位置に立った時、セカンドカーブの”成功”から”意義”へ。
自然とシフトできるのでないか、そんなことを感じた時間だった。
吉田 真