2024年7月30日〜31日セカンドカーブ登山会【EBCトレーニング@北海道】
大雪山、黒岳にて1泊2日のテント泊トレーニング
セカンドカーブ北海道合宿のあと、大雪山黒岳にて、EBC(エベレストベースキャンプ)メンバーの1泊2日の登山トレーニングを行いました。
4名のうち、テント泊が初めてのメンバーは2人。私もその1人でした。
日帰り登山と違って泊まりだと荷物は増えます。さらに、北海道の2,000m級の山は天気も変わりやすい上、夜は冷えるため寒さ対策も必要です。装備をどうしたら良いか不安がありましたが、登山前日、経験豊富なリーダー(一桝さん)が、ザックの中身を確認してくださいました。
持ち物には、熊対策やエキノコックス症予防も考え、鈴や浄水器も加わりましたが、チームで一つあれば良いものなどはメンバーで分担し持つなど、「装備の軽量化」についても学びました。
登山1日目
あいにくの雨模様でしたが、雨が上がったタイミングで出発。足取り軽く黒岳に登頂し、テントを張る場所である黒岳石室(避難小屋)を目指します。雨に濡れた高山植物が綺麗でした。
テント場に到着すると、いつ雨が降るか分からないため、なるべく素早くテントを張りました。綺麗に張れたと思っていたら、石室スタッフのYUGOさんから、テントのローブが長いと、夜通行する際に足が引っかかって危ないので短くすると良いとアドバイスをいただきました。なるほど、勉強になります!
寝床を確保したあとは、荷物を置いて北海岳方面へ出かけました。
しばらく歩くと、チングルマの綿毛が出迎えてくれました。なんて美しくて可愛らしい!
満開の花も想像でき、その時期にまた来たいと思いました。
さらに歩き進むと、小川に残雪と雄大な景色が広がります。
まるで天国に来たようでした。
休憩スポットを発見。
川のせせらぎを聴きながら一休みした時間が、なんとも贅沢に思えました。
石室に戻る頃には、空も晴れて視界が広がりました。
夕食まで時間があったので、エゾナキウサギがよく現れる黒岳方面へお出かけ。
先に到着したメンバーは、鳴き声を聞いたそうです。残念ながら姿を表すことはありませんでした。
待ちに待った夕食タイム。
ビールで乾杯!石室のスタッフYUGOさんとハッシーさんには担いできたワインをプレゼント。写真を見ての通り、とってもとっても楽しかったです。消灯時間の21時までおしゃべりは続きました。
写真はありませんが、夜は天の川もくっきり見られるほどの満天の星空を観ることができました!
登山2日目
3時に起きて、YUGOさんと日の出が見られる絶景スポット桂月岳へ。
雲海からの日の出が、今までに見たことがないくらいとても美しく、ただただ感動しました。これぞ層雲峡。雲が重なり、空にも雲があることでこんなにも美しく朝日が見られるのだとか。
朝食を食べ、北鎮岳から間宮岳、北海岳へまわるお鉢巡りに出発。
あとからYUGOさんも追いかけて来てくれて、ガイドしてくださいました。
壮大なお鉢の中には豊かな自然が存在していました。植物もあり、川もあり、時折熊も見かけるそうです。有毒だけど温泉もわいています。タイムスリップして異世界に迷い込んだような錯覚に陥りました。恐竜までも現れそう。
アイヌの人々は、この美しい大雪山をカムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)と呼び、崇敬と畏敬の対象としてきたそうです。まさに「神々が遊ぶ庭」だと、実感しました。
【クイズ】こちらは何に見えますか?
ハリネズミがバームクーヘンを食べているように見えませんかw
(この奇岩もYUGOさんが教えてくださいました。)
帰り支度の際には、山のプロであるYUGOさんとハッシーさんから、テントのしまい方やザックの詰め方についてレクチャーいただきました。お二人は、お客さんの背負ってるザックを見て、山の経験値がわかるそうです。
石室に食料や生活用品を運んでいる歩荷(ぼっか)さんから、直々に、ザックの使い方や背負い方を学ぶなんて贅沢。惜しみなく教えて下さったお二人に感謝です。
そして私たちは、また来ることを誓って、お世話になった石室をあとにしました。
最終リフトの時間を気にして、すたすたと下山すると、1/2ほどの時間で降りてきました。あー間に合ってよかった。
時より現れる可愛らしい高山植物に目を細めながらも終始自然の雄大さに圧倒された、たった2日間でしたが、感動と学びの多い素晴らしい山トレになりました。
自然は心を豊かにしてくれる。
また季節を変えて大雪山にいきたいと思います。
レポート: 高頭弘恵
ガイド: 一桝靖人、竹内美紀